元気あげます!巴里編
そして・・・フランス国内外で有数の富豪が集まるパーティーが開催されました。
ひかるは明るいマリンブルーのカクテルドレスを着て、琴美の後を歩いて会場入りしました。
「すごい、社交界みたいなのを想像していたけれど、財界っていうだけあって、スーツ姿の男性が多いみたい。」
「食べ物は基本的に立食かサイドのテーブルのところしか食べられないし、この場で商談する人もたくさんいるのよ。
だから、殿方はタキシードではなくて、戦闘服で来てると考えるのがいいかしらね。」
「戦闘中なんですか・・・なるほどぉ。あれ?じゃ、どうして琴美さんはドレスアップしなきゃっておっしゃっていたんですか?」
「女の戦闘服って何かしら?」
「あ・・・お色気?っていうのは卑怯ですよね。でも琴美さん。このドレス・・・なんだかはずかしくなっちゃうくらい露出高い気がするんですけどぉ・・・。」
「ビジネス上の女の武器はアリだと思わない?うふふ。」
「琴美さん!・・・私はべつにビジネスは関係ないですぅ。」
「でも、今日は私の秘書でもあるのよ。
私がビジネスの話をするときは、協力してほしいわぁ。」
「そ、それはもちろん、よろこんで協力させていただきますけど・・・あの・・・」
「まぁ、早朝に顔をあわせてたくせに、もう千裕に会いたいの?」
「ですから・・・チーフ代理でがんばってる千裕様を見てみたくて。」
「あらあら。でも、今ってたぶん裏方は戦争状態じゃないかしらね。
みんながお菓子を食べ始めてからの方がいいわよ。」
「あっ、そうですね。」
ひかるはとりあえず、琴美にくっついて取引先の企業の人やマスコミ関係の人に挨拶してまわっていました。
そのうち、がっしりとした体格の日本人に見受けられる男性が琴美に挨拶をしてきました。
「マダム、はじめまして。私はアメリカを中心に展開しております、キサラギコーポレーションのユウヤ・キサラギと申します。」
「まぁ、キサラギ社長のご子息ね。声をかけていただいてうれしいわ。」
「あの、そちらのお嬢さんはお孫さんでいらっしゃいますか?」