元気あげます!巴里編
「セルジュはもしかして、ひかるを追って来た?」


「違う。ひかるがきっかけで日本にいる友人のことを思い出して・・・」


「ふう~~~~~ん・・・。」


「な、あんたに関係ないだろ。俺の休みをどう過ごそうと。」


「そうだけどね・・・。俺、あんたになら負けてもいいかも。
世話になりすぎだよな・・・。」


「千裕がそんなことでどうするんだよ!
俺だってひかるにいろんな誘いかけたり、話もたくさんしたさ。
けどな、ことごとくふられっぱなしだった。
圧倒的なんだよ、あんたの存在が。

いまさら譲りたいだと・・・。ひかるはケーキじゃないだろ。
フォローしろよ。土下座でもして謝れよ。
あんたはずっとひかるの保護者気どりを続けるのか?」



「保護者か・・・。そうかもしれない。
俺はひかるが教え子のときに、気持ちが抑えきれずに抱いてしまった。
大丈夫ってひかるは言ってたけど、震えながら泣いてたあいつを見て、そのとき罪の意識がな・・・。

昨日ここに来て、社員たちと過ごすと、ひかるはやっぱり未成年で子どもなんだよ。
けど、俺はその方がいいと思っていて・・・大人の女になってほしくない俺が確実にそこにいて、絶対大切にしたいと思うのに、苦しくなる自分がいるんだよ。」



「それをひかるに言った?」


「いいや、あいつ優しいからさ、きっと俺がそんなことを吐いたら、大人にしてくれみたいなことを言うと思うんだよな。
そんなことになったら・・・いや、そんなことにならないようにしないと。」


「無理だろ。あんた、ひかるからみたらひどいことをすでにしちゃってるわけだからさ。
ひかるは大切にしたいから抱かない。
他の女とはキスしても抱きあってもかまわないって通用すると思うのか?」



「それは・・・ふざけたり、酒の上でのことで、とくにそこには好きな感情なんてない。」



「千裕は俺より不器用なんだな。
感情は見えないだろ・・・大切にしたい気持ちも見えね~よ。
見えてるのは他の女とのキスとか、あんたがやった行為だよ。

まぁ、あんたがそうやってフラフラし続けるなら、俺にとってはチャンスだけどな。

ひかるの荷物持たせたら、俺はひかるとパリに帰るけど、いいかな。」



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