君にハートを盗まれた。
第三章

初デート


そしてやってきた初デートの日。

あたし達は、近くの駅で待ち合わせすることになった。


私服で先輩に会うのはもちろん初めて。


ドキドキしながら待っているあたしの服は。


長袖のピンクの小花柄の可愛いふんわりワンピに、デニム生地の薄手のベストを重ねてみた。


デート前日。美空が家に遊びに来て一緒にあれこれ迷いながら決めた服。


美空は、あたしと先輩とのことを応援しているけど、心配だとも言った。


「あたしは先輩がヒカリのこと、好きになったって信じてるよ」


過去は、いろいろあったみたいけど。今は変な噂聞かないしと。


過去…いろいろあったんだ…。


先輩、自分でも簡単に好きでもない女の子とキスしてたって。


言ってたしな…。まぁ、あたしもその1人だったけど。


落ち込みムードになりかけたあたしに美空は

「けど、先輩は嘘はつかないと思う。正直な人だよ。きっと」

そう言うと、とにかく頑張れと勇気づけてくれた。




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