陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
すぅすぅと小さく寝息を立てている幸姫を見て、政宗はそっと頭を撫でた。
気持ちよさそうな顔をする幸姫に、思わずもう一度、という衝動に駆られた。


玲子では、ない。


そんなことはわかっている。
俺は、そんなつもりでこいつを抱いたわけではない。


本当に、そう、言い切れるのか?


そう問われると、そうだ、と言い切ることは出来なかった。


そっと着物をかけてやる。

「う…ん……」

寝返りをうつ幸姫。
そっと指先が触れ合った。


温かいな…


もう久しく忘れていた感覚だった。
人とはこうも温かいものだということを。

まるで義務のように、愛姫を抱いていたとき、そんなことは微塵も思わなかった。


抑えるつもりだったんだがな。
…少なくとも、幸姫に止められると、そう思っていたが。


こいつは俺を受け入れた。
小さくではあったが、確かに頷いた気がする。


もう、離しはせん。
誰がなんと言おうと。
たとえ何があったとしても。

こいつは絶対に。
誰にも渡しはせん。




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