陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
政宗の屋敷を飛び出して、どれだけ走ったかわからなかった。
気がつけば汗だくで、肩で息をしていた幸姫は、膝に手をつき、大きく口をあけてはぁはぁと息をした。

その場にぺたりと座り込む。おでこから吹き出している汗を拭いながら、深呼吸をひとつ。目の前の滝をじっと見つめた。


お母さん、どうしてるんだろ。


この滝壺に落ちたのが全ての始まりだった。


戻る方法がみつかったとして…
滝壺に落ちてしまったあの時に戻ることができるのか。



もしかしたら、もう何十年って時が経ってて、お母さんはもちろん、希美先生もいなくなってて…亜姫達も、みんな自分のことを忘れてたら…?



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