陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
起こされもしないのに、なぜか目が覚めた。
正確にいえば、あの後、泣きつかれて眠りはしたものの、眠りが浅かったようで、何度か起きては寝てを繰り返していたのだった。

「…とりあえず、起きよっかな」

うーん、と伸びをして、幸姫は布団をたたむと、そっと部屋を出た。

空はだいぶ明るくなってきていて、雀の鳴く声が時折聞こえていた。

「いい天気だなぁー」

軽くストレッチをしながら、なんとなく台所へと向かっていると、向こうから見覚えのある顔が近づいてきた。

「あっ!」

仏頂面をした小十郎と楽しそうに笑っている喜多の2人だった。

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