あの音をもう1度
「ねぇ、奏ちゃん」
いつの間にか真剣になっているバルトニアさんの声が響いた。
「ここで僕と練習しないかい?」
えっ--…
「ここは音楽室よりも設備はいいし、長時間練習しても誰も文句を言わない。
それに正直僕ら音楽家の気持ちは所詮、音楽家にしかわからない。
いくら考えようとそれを経験した者にしかわからない」
「そ、それは・・・」
「涼太くんの気持ちもわかるが、これはお遊びじゃない。
本物になるには本物が必要なんだ。
それに彼にも別にやることがある。
もう…彼だけ頼ったらいけないんだ」