あの音をもう1度



・・・知らなかった。



学校だけじゃなくて、家の手伝いもだなんて。


じゃあ、最近の電話は仕事の…?



気付かなかった――



いつも涼太は優しくて、なに食わない顔でピアノの練習にも付き合ってくれてた。




こんなにも近くにいるのに・・・



涼太はそんな重要なことを何一つ私に言ってくれない。





もしかして、私って・・・


負担になってる--?







「・・・確かに涼太くんは優秀だ。
だが、演奏に関しては詳しくない。きっと勉強しているんだろうね」




そういえば最近、授業中にウトウトしているのを何回か見たことがある。


あれも、私の・・・




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