あの音をもう1度



真っ青な空。


灰色のコンクリート。






―――…いた。




何度も会いたくて

何度しがみつきたかった


懐かしき背中があった。













「かなで・・・」













その人物はふり返り、私をじっと見る。



あの時と違うのは・・・





「りょう、た・・・」




我慢できずに涙が流れたこと。




――…涼太がいる。


名前を呼ばれる。


今までに何回も呼ばれているのに、こんなに嬉しいなんて…



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