飴色蝶 *Ⅰ*
「兄貴のあっけない最後だった
 相手の車に乗っていた奴らも
 十九歳や二十歳、二人供
 即死だったらしい
 
 そこから
 イオリの地獄のような
 生活が始まった」

元々、庵先輩の実家の和菓子屋
は倒れる寸前で、店の権利
持ち家は全て借金の形に取られ

ご両親の生命保険を合わせても
妹の入院費用と高校の学費
生活費に消えて行ってしまった
らしい。

「今すぐ高校を辞めて
 俺の傍で極道になれば
 住む家も、妹の入院費用も
 全て俺が面倒を見てやると
 言ったがアイツは
 俺の話に首を縦に振る事は
 無かった
 
 何がアイツをあんなに
 奮い立たせるのか・・・
 アイツは学校とバイトを両立
 させて、高校を卒業した」
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