飴色蝶 *Ⅰ*
その頃、庵は会長に
呼び出されて幹部の人達と
話をしていた。

「すまないな、イオリ
 急に呼び出して
 妹さんの初七日が
 終わるまでは休みを
 取らせてやりたかったが
 ・・・無理そうだ」

幹部で、舎弟頭の江崎が話す。

「伊納組の前組長が、お前に
 逢いたいと言って来ている
 この間の組員の勝手な行動を
 謝りたいと、俺に話がきた」

「叔父貴のところに
 伊納組の前組長が俺に・・」
  
会長が、話し出す。

「それは、口実で、伊納 初馬
 (いのう はつま)は
 お前に逢いたいだけだ
 
 兄貴の息子かどうか、顔を
 見たいんだろう

 まあ、顔を見たらアイツなら
 すぐに息子だって分かる
 だろうがな
 
 兄貴の舎弟で舎弟頭だった
 男だからな」
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