飴色蝶 *Ⅰ*
警備を厳重に行われた料亭で
襲名式が行われている。

羽織、袴、正装した男達が
集まり見守る中、媒酌人の
支持の元『跡目相続の盃』
が行われる。

会長と交盃をし総てを受け継ぎ

庵は、ここに三代目となる。

「イオリ、皆に、何か
 言葉をかけてやるといい」

今までの庵は、金の為に
しかたなく極道になり

しかたなく、この極道色に
染まっていった。
   
しかたなく・・・

今、皆の前に立つ庵は
もう昨日までの彼じゃない。

自分で選んだ道の先を

真っ直ぐに見つめ

これからは、自分の生きる道を
自分色に染めて行く。

惚れ惚れする程に、凛々しく
気高い彼に、誰もが魅了されて
止まない。

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