飴色蝶 *Ⅰ*
「三代目、声を」

「こんな、ちんけな俺に組を
 任せてくれた、組の皆や
 親父の恩に報いる為にも 
 精一杯に精進して頑張らせて
 頂きます」

盛大な拍手と、喜びの声が

飛び交う。

組を挙げての酒宴が始まり
組員の女達も庵の姿を
一目見ようと集まり
騒いでいた。

「何て素敵なの」

「今、目が合ったわ」

女学生に戻ったように
憧れの眼差しでため息を
付きながら、見つめる女達。
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