飴色蝶 *Ⅰ*
彼は、太陽の下で一日中
働いているので、日に焼けて
真っ黒で、見た目は庵よりも
随分と男らしく、落ち着いた
大人の男性で魅力的な人。

だれど、庵の

あの独特の雰囲気には敵わない
  
庵の内側から溢れ出るゾクゾク
するような男らしさ。
  
不意に見せる、悲しみを帯びた
女性的な横顔。

ああ、駄目だ・・・
 
私はこうして、いつも

庵の事ばかり考えてしまう。

本当、自分が嫌になる。

自己嫌悪に陥った私は、お酒を
グイグイ飲む。

そんな私を見て、彼は笑った。
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