飴色蝶 *Ⅰ*
高月組本部事務所に集まる
執行部の顔ぶれ

庵が到着するのを、首を長く
して待っていた。

「カナメ、三代目はまだか?
 迎えはどうした?」

「すみません、アニキ
 いえ、親父が
 迎えはいらないと
 おっしゃられまして・・・」

「昨日の今日で、三代目に
 何かあったら

 どうするんだ」
 
「すみません」

そこで、先代の正二は要に
助け舟を出す。

「何、三代目がいいと言うのに
 迎えも何もないだろう
 
 でも、カナメ、イオリには
 ちゃんと親として有るまじき
 行動を取るように
 話しておいてくれ」

「分かりました」
 
「三代目が
 御出でになられました」
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