飴色蝶 *Ⅰ*
「私・・・
 終電に乗りたいので
 ごめんなさい」

彼は、私の手に優しく
触れた。

人の手の温もりに触れた

私の胸は、ドキドキと
音を立てた。
   
「心配しないで、帰りは
 ちゃんと家の近くまで
 送ってあげるよ」

「でも、もう遅いですし
 明日仕事なので・・」

繋いだ手を解き
私は前だけを
見て歩いて行く。
   
そんな私の腕を
彼が掴む。  

「無理ならいいとか
 言いながら
 付きまとってごめん
 
 一時間でいいんだ
 俺に、付き合って
 くれないかな、ねっ」
 
そう言って微笑む
彼の笑顔が、私の心を
擽(くすぐ)る。
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