飴色蝶 *Ⅰ*
「スミレが決めた事なら
 私は応援するよ
   
 だけど、これだけは約束して
 彼の世界に踏み込み過ぎては
 いけない
   
 恋人として、逢えたその日を
 精一杯、楽しく、付き合う事
 だけを考えるの
   
 決して、その中に入ろうなん
 て思っちゃいけない」

この時の私は、雪乃の言って
いる事が

よく理解できなかった。

「ユキ、大丈夫だよ
 
 私は、極道の世界に足を踏み
 入れようなんて全く
 思ってないよ
    
 ただ、彼の傍にいたい
 だけなの」

ただ、彼の傍にいたいだけ・・

それが一番、やっかいな想い
なのだと、私の答えを聞いて

雪乃は思っていたでしょうね。

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