飴色蝶 *Ⅰ*
夜道を一人で歩きながらたまに
笑みをこぼす私はすれ違う人に
どんな風に映っているだろう。

駅へ着いた頃、私は
呼び止められ、その方向を見た
  
そこには、雪乃と幹生が
手を繋いで立っていた。

「ユキ、どうしたの?」

「この近くまで来たから
 スミレの仕事が終わるのを
 二人で待ってたんだぁ
 これから、一緒に飲みに
 行こうよ」

菫は、幹生に微笑み会釈をする

「ミキオさんも一緒って事は
 デートなんでしょう?
 さすがに邪魔はできないよ」

「スミレちゃんなら大歓迎
 そうだ、イオリも呼ぼうぜ
 あいつ、飲みに行こうとか
 言いながら全く音沙汰なしで
 電話も出ないし
 スミレちゃん、あいつ
 どうしてるの?」

庵が今、どうしているのか

私も分からない。
 


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