飴色蝶 *Ⅰ*
グラスを手に持ち、二人が
見ている方向を見る巴。

「気にする事無いわ
 私が一緒にいるもの
 彼らは何もしないわ」

「さあ、どうぞ
 あなたも、お水なら
 飲めるでしょう?」

「ありがとうございます」

巴に踊ろうと誘われたけれど
庵はそういうのは苦手で断った
 
彼女は上手に体を
揺らしながら踊る。
 
そして、何度も庵の方
を見て微笑んだ。

庵は要に何かを話し
その場を離れる。
  
踊る足を止めた巴は、歩いて
行く庵を、ずっと目で追った。

彼の姿を、辺りの女性達が
見つめてコソコソと話を
している。

中には、声をかける
女性もいた。

庵は首を振り、何かを話して
巴を指差した。

「イオリさんは何処に
 行ったの?」

「すぐに戻りますよ」

「そう、私、化粧室に
 行ってくるわ」

そう言って、要の元を離れた巴
は、化粧室へは立ち寄らずに
庵の姿を探した。
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