飴色蝶 *Ⅰ*
「お嬢さんの頭の回転が速くて
 私はもう、ついては行けない
 
 ユキノからは手を引くよ
 このまま君とやりあっていて
 も、とても勝つ気がしない
 ユキノの好きにすればいいと
 伝えてやってくれ」

「ありがとうございます
 会長さんは、お話のわかる方
 で本当に良かったです」

庵は何事も無く話がまとまった
事にホッとして、菫に気づかれ
ないように、その場所を
出て行こうとした。

「ところで、お嬢さん
 ユキノの代わりに私の女に
 ならないか?
 
 金でも何でも欲しいものを
 与えてあげるぞ」 
  
庵は、会長の言葉に立ち止まる
< 93 / 488 >

この作品をシェア

pagetop