不良BOY
まだ教室に残っていた人皆が神谷を見る。
いつのまにかさっきまでざわざわしていた教室は静まり返っていた。
「え…どうしたのかな…」
「さあ……」
周りから聞こえるひそひそ声。
「春斗!」
そこへ、放課後先生に呼ばれていたらしい優花が戻ってきた。
「あ、優花ー。なあ優奈ちゃん。もう神谷なんかほっといて3人で帰ろ?」
横山くんが私の腕を強く引っ張っる。
「え…」
「…さっさとどっか行け」
神谷は一瞬顔を上げて今にも消え入りそうな声で呟いた。
神谷は
私を思いっきり睨み付けていた。
ただそれだけは分かった。
私は横山くんに引っ張られてそのまま校門を出た。
「ねえ春斗ー」
「何?優花」
「優奈にあんまくっつかないでよね」
帰り道、優花が少し不機嫌そうにしていた。
「そんなくっついてないよ。なあ優奈ちゃん?」
「う…うんうんうん」
いきなり問い詰められて何度も頷いてしまう私。
「本当に?」
優花が横山くんの腕を掴む。