不良ちっくLover
「ユカ。大丈夫か?」
相変わらずのヤジに落ち込んでいる私に、隣のマサは心配顔だ。
「う…ん。どうにか」
私も曖昧に笑ってみせる。
「アイツって無口な割に密かに人気があったからな、今まで女っ気がなかっただけに周りの女も受け入れられねーのかもな」
「…………」
「ユカ?」
「私ってリュウ君の事、何も知らないなって思っちゃって。こんなんで彼女だなんて情けないね」
「そんな事ないだろ? 今、全部知らなくてもいいだろう? これから知っていけばいいんじゃないのか?」
「マサ…」
私が涙目で笑いかけると、
「そういう顔はアイツだけに見せろよ」ってデコピンされた。
「ありがとう。マサ」
「友達だろ」ピースして笑ってる。
やっぱり、マサは癒し系だね。看護師に向いてるよ。
そんな私たちを冷ややかに見ている、女たちがいたなんてね、その時は知らなかったんだ。