最後の涙


「あー!そうや!俺がな、道歩いててん!」

「うん?」

「そしたらな、百合ちゃんも道歩いてきてん!」

「うん」

「んで、ぶつかってもーてん」

「お互い歩いてたのに…?」

「おん!肩ばーんって!んで、百合ちゃんの持ち物もばーんやってん」

「ばーんだらけやな 笑」

「で、俺拾ったったら、あ!知ってる人や!ってなって…」

「そこまで気付かなかったんや…」

「そっから仲良くなったなぁ」


なんか不思議な出会いやな…2人…


「そーなんやぁ」

「さきちゃんは?」

「なにが?」

「草太との出会い!」

「あぁ…聞いても引かんといてな?」

「おん…」


なんでこいつ元気なくなったん!?


「百合と近所のラーメン屋行こうしててんけどな、ドタキャンされたんよ」

「百合ちゃんぽいな 笑」

「んで、1人で並んで、ラーメン食べてて、隣に座ってきたのが草太やってん」

「でもそれだけじゃ普通話さへんよな?」


痛いとこつくな…この男はぁ…


「財布忘れたの」

「……ぷっ…んははっ!!マジかぁ!!で、草太に奢ってもらったんや!」

「そんなとこ…あと、ガムとカラオケの割引券もらってん!」

「あー…だからおったんや!」

「おん!」

「よく思えば運命的やな…俺らの出会いって」
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