青蝶夢 *Ⅰ*
貴方の悔しくて堪らなかった
胸の熱い想いが・・・

肩を震わせて、貴方は
私の為に、悔し涙を流す。

貴方は、ずっと自分を
責め続けていた。

『ヒイロに
 二度と近づくな』

そう言った、あの男の顔は
嫉妬で醜く歪んでいた。
ぞっとする程に・・・

「許すも何も、最初から
 私は貴方に助けなんて
 求めてなかったよ・・・
 9歳の私は
 
 ただ、純粋に貴方を
 好きだっただけ
 
 ただ、貴方の傍に
 居たかっただけなの」

「俺の傍に?」

私は、伊吹さんから離れた。

そして、彼の頬に手を翳して
伝える。

「そう、今も昔も
 わたしは、ただ
 貴方の傍に居たいだけ・・」

私は、貴方に触れた
その手を戻す。
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