青蝶夢 *Ⅰ*
「そう、じゃあ
 ここに座って
 これだけは残さずに
 飲むこと」

伊吹さんは、そう言って
私に微笑んでくれる。

「ありがとうございます」

伊吹さんは、コーヒーカップを
テーブルのある場所に置いた。

そして私は、芳野さんの
隣の椅子に座り

そのカップに、彼が触れた
唇で触れる。

「・・・おいしい」

「だろう?」

二人の声が重なる。

「本当、美味しいです
 ありがとう」

「どういたしまして」

また、重なる。

「ヨシノ、それ淹れたの
 この俺なんだけど・・・」

「細かい事、いいじゃん」

笑い合う、三人。
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