導花線の花種
時代考証あれやこれ
自分が書いている「恋口の切りかた」では、スルーしている部分と、調べて書いている部分があります。

基本的には、時代劇ということで、江戸時代中期のことを色々調べているのですが、他の時代小説と異なり一つ大きなスルーをしています。

最近は「ネオジャパネスク」というキャッチコピーなどを加えてみましたが……そう!
恋口では、「現代のノリで読める」ということにチャレンジしているので、意図的に「現代口語」による会話で時代小説を書こう! としているのです。

農民が男女共に「おれ」という一人称で喋ったり、円士郎たちの一人称で「俺」「私」、また二人称で「貴様」などはまあ、普通の時代小説でも使われる言葉ですが。

鬼之介が一人称で使う「ボク」、また金魚玉で亜鳥と遊水のやり取りに出てくる二人称の「君」などは、幕末期に長州の吉田松陰が使い始めたのが最初と言われ、維新志士たちの間で初めて使われるようになったという言葉ですから、時代考証的には江戸時代中期の会話で用いられるのはNGです。
(なので、新撰組ものとかでも、時代考証を重視するならば、佐幕派の隊士に「僕」と言わせるのはマズいようですね。「私」とか「俺」にしたほうが良いようです)

でもまあ、そこは拘らず。
恋口と金魚玉では円士郎たちも、普段の会話はバリバリ現代口語調となっています。

なんでそこをあんまり気にせずに、現代のノリで読める時代小説を書こうとしているかと言いますと……
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