導花線の花種

登場人物について

アイテムについて書いたので、次は登場人物についても触れてみようと思います。
物書きならこんなところであーだこーだ言うより作品で語れ! という感じではありますが、やっぱり一年も書き続けて思い入れも深い作品ということで(^^;)

クドいようですが、以下あとがきで書けなかったネタバレをがっつり含んでおりますので、恋口をこれから読んで下さる予定のある方はご注意下さいませ。


まずはヒロインの留玖について。

様々な作品に登場する「剣道少女」とか「女性剣客」というと、大抵は男顔負けの勝ち気な性格だったり、クールな性格だったり…が多い気がしますが、留玖はそういった女性剣客像へのアンチテーゼとして作ったキャラクターだったりします。
…なんて言うと大げさですが(^^;)

刀という武器を手にして戦うわけですから、当然相手をねじ伏せて勝とうという燃える闘争心を宿したキャラクターというのは考えつくと思うんです。
でも、留玖はそういう負けん気の強さ──例えば男に負けたくない!という気持ちで剣術を極めようとする人間ではなくて、純粋な面白さから剣術にのめり込んでいく天才として登場させたくて、あのような不思議系(笑)キャラクターになりました。

剣術を通して、遠くからずっと眺めていた奔放な少年=円士郎と仲良くなることができて、それが嬉しくて楽しくて、子供が遊びに熱中するように、無邪気に剣術にハマってゆく。

そこに幼少期の異常体験とも言うべき大晦日の惨劇が重なって、結果、極限の状況の中で人の命を奪う重みを理解できないまま殺人を犯し、「遊びの延長で」剣を振るう剣客へと成長する…という、「技」のみで「中身」のない怖さと危うさを持った天才少女として、ちょっとふわふわとした、とらえどころがないような、でも限りなく純粋で透明な女の子を目指しました。
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