未完成恋愛論

「アポロン蝶」Sver

「アポロン蝶」Sver

この手はなんて温かい
止まらない真紅
君が誰かのになるなんて
許せなかったわ

君は最後の約束だから
側にいてくれてるの
それが永遠に変らない
「答え」だと知っても

太陽のように温かかったヒト

豆腐みたいにすり抜けて行く 貴方の身体
赤い赤い鮮血は
ワタシ一人のモノ 温かいわ。

もう誰にも手に入らない
奪い合う心などない
それでもその姿蝶に変え
羽ばたいて行こうしてる

「愛するヒト」の胸ですか?
宇宙(空)を逝く蝶々
この手すり抜け何処へ
飛んで行きたいと願う

愛が罪と罰に変る刻(時)

三叉戟の一撃透き通っていく ミロのヴィーナス
赤い赤い戦慄を 
浴びたワタシは アネモネの花

堕ちたワタシが辿り着くのは  奈落の果て
もうこの手に永遠に
掴む事などない 「アポロン蝶」。

悲しみの雨に濡れ咲き続ける アネモネの花
いいかい誰かの
幸せ願えるのも 「愛だって」。

永遠に語り継がれて往くでしょう
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