伝えたい事がある
「あ、うん。」
そうしてまた物凄く申し訳なさそうに入ってくるお姉ちゃん。あたし、ここまで気を使われてたっけ。
「えっとね。さっきの話しなんだけど。」
「さっき?」
と口に出してはみたけど、本当は"あの事"だってわかってた。…つまりお姉ちゃんが出て行くって話し。
「1人暮らしの話し。」
そう言って笑うお姉ちゃんは、"申し訳なさそうな顔"をしていなかった。
むしろ、幸せそうな。そんな顔だった。
「あ、うん。で、どうしたの?」
「咲陽が2階にあがったあと、お母さんとは話し止めたんだけど、お父さんが帰って来て…。」
…なんとなく想像できるかもしれない。
「私お母さんが夕ご飯の準備してるときに、お父さんと話したの。」
「うん。」
「なんとかわかってくれたの。」
「うん。」
「それでね、お父さんがお母さんを説得してくれて…」
やっぱり。
「お母さんの許可もらったの。」
「うん。」
「…でね、その咲陽がいいんじゃないの。って言ってくれたじゃない?」