純恋愛



その時、ふと、汗と独特の臭いが混じった防具の臭いがした



多分、部活が終わったあとだったんだろう



その臭いは、武史の面をかぶった後のにおいと同じで、もともと嫌いだったけど、なんか武史をとられたような感じがしてさらに嫌な気分になった(うちのモノでもないけど)






その日から、こころなしか、武史がマミ先輩に話かけられているところをよくみるようになった



「武史ー、明日暇?土曜日だしどっか遊びにいかない?」

「やー俺、明日りなと遊ぶ約束したんで」



「武史ー、今日一緒に帰らない?」

「あ、りなと帰るんで」



「武史ー、明日の試合、お弁当作ったあげる」

「マジすか!やったーりなの分と、弁当2個だ!」



マミ先輩にその日呼びだされて



「ちょっとあんたさ、あたしの邪魔したいの?」

「ち、違います・・・」



「マジ、幼馴染だからって調子のってんじゃねえよ」

「すいません・・・」



「今度、邪魔したらわかってんだろな」

「あ、はい・・・」



そう言われてから、うちはあの防具の臭いが嫌いになった(というかマミ先輩が苦手になった)






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