ガラスのタンポポ
コタエラレナイ?


コエガナイ?


奏来を見つめても、ただ微笑むばかりで。


オレには、何一つ理解できなかった。


「翔ちゃん、コーヒーいれるからいらっしゃい」


兄貴に腕を引かれ、リビングのソファーに座った。


奏来はまた微笑み、ベランダにもたれかかって、暗くて見えないはずの公園を眺めていた。


「ごめんなさいね、翔ちゃん。奏来がどうしても翔ちゃんにはまだ伝えないで、って言うものだから…」


「奏来はどうしたんです?どうしてオレの名前すら呼んでくれない?」


おばさんが声に詰まり泣き出すのを見て、兄貴が口を切った。


「あのな、翔。奏来は…声を失った…」


「だから何なんだよ?意味わかんねーよッ」
< 158 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop