黒紅花

刻み込む

一粒、流れた涙は
どんどん
どんどん
溢れ、零れ落ちる。

止まらない涙を
見つめる貴方は
困惑した表情をみせる。

悲しみと共に
甦る過去。

『赤ちゃんができたの』

震える声で私は言う。

答えを聞くのが
とても、怖い。

『俺が高校を卒業したら
 結婚しよう
 どんな事があっても
 俺が二人を守る』

そう言ってくれた、彼も
今は、どこにもいない。

私は初めての恋で
あまりにも
いろんなものを
失くしてしまった。
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