黒紅花
触れたい

踏み出す

停留所でバスを待つ
二人。

「なかなか
 バス来ないね
 座ろうか?」

ベンチに座る私の隣に
なぎが座る。

隣に誰かが居る事が
こんなにも嬉しい。

「それにしてもチトセ
 貴女って強いね
 私なんて、いつも
 泣いてばかりで
 言いたい事も
 言えなくて
 悔しい思いばかり
 してた」

「私は、強くなんか無い
 強くなんか無いよ
 ただ、彼女も私も
 同じでしょう・・・
 身長だって
 体格だって
 ほとんど変わらない
 本気を出せば負ける
 ことなんて無い」

「そうかぁ、そうだね
 私と彼女は同じ」

怖がる事は、無い。

恐れる事は、無い。
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