ACcess -操-
盗み見るようにアリスを見る。
「なんかさ、本当にクロファンの世界で生きてるみたい…だなって。」

ただ“いる”だけの存在ならいくらでもいる。
自分だってそうだ。
しかし、アリスは違う。
「…ふぅん。生きてる、ね。
 私は誰しもこの世界で生きてると思うけどね。
 キャラクターを作って、この世界に降り立った時点で貴方はクロファンの世界に産まれ落ちたのよ、おめでとう。」

足を組み替え、頬杖をまたつきながら微笑んだ。

それが生きてるみたいなんだ。
「生まれ落ちた、か。
 甘く見てたよ。今までただのゲームだと思ってたから。」
失礼しちゃうわ、と言った顔は笑いながらだった。

つられてこっちも笑ってしまった。
「今の笑顔、フライやペッパーに見せる時みたいだった。」
机に座った時から、コントローラーは触っていない。
なのに、笑顔を見たと…?
「他の人に見せない顔だったわね。」
これが生きてるって事なんだろうか。

「…なぁ、アリスの目に俺はちゃんと“生きて”映ってるのか?」

自分でも不思議な質問をしたと思う。
でもアリスはきちんと答えてくれた。
「えぇ、もちろんよ。
 私の世界は全てを祝福してくれる。」


アリスが羨ましいよ。
そう、真っ直ぐに言える事が。
本当に大人だと思う。
< 73 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop