紅龍 ―1―
そこで紅花は姿を消した。
というより、顔を上げたらそこに居なかった。
小さな会話の中に変な言葉を残して。
仲間―…か。
後から知ったが、紅花は俺を知って喧嘩を申し込んできたらしい。
理由は知らないが俺を助けてくれようとしてくれたのか?
その日から俺は喧嘩をあまりしなくなった。
それが紅花の残した言葉に対しての答えかはわからないけど、何となく喧嘩をする気分にならなかった。
そして何日か経って、俺はその時の"青虎総長"智(さとる)さんに声をかけられ"青虎"に入った。
"青虎"で紅花の言う仲間を知った。
本当の喧嘩を知った。
紅花の言っていた事を知った。