紅龍 ―1―
蘭side


「それでお前は、紅花にされた事をどう思っている?」


今目の前にいる青髪は俺、紅花について詳しく話してくれた。


優しい口調で。


「俺が紅花だっ!!」て言葉を飲んで奴の話を俺は聞いていた。



話によるとこいつは兄貴の言っていた"青虎"の総長さんだろう。


そして、その総長さんは青虎に入る前に俺に会っていたらしい。


…―そう言えば記憶にある話だった。



あの悪ガキがここまでなってくれて嬉しい。


それも俺のおかげとも言っている。



でも、裏を返せば俺のせい。




本当に奴はこれで良かったんだろうか?




「お前はそれで悔いはないわけ?」



そんな思いをかけ、奴の答えを待つ。





「あぁ、あのまま紅花に会わなかったら今の俺はいない。だから感謝している。今は楽しい………ってか何お前にこんな事話してんだろうな……。」


俯いていた顔を上げて俺に思いを知らせてくれる。



俺の記憶の中での"昔"の奴の瞳はここにはなかった。


でも―…


その後に続いた







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