【ND第1回】はじまりは君の隣で





あたしの存在を無視されたって。




気づかなくたって。





あたしに傷つく権利なんてないのに。






また、ポツリポツリと歩き出す。





あたしはさっき、龍之介になんて言おうとしたんだろうか?




ごめん?




それとも、好きです?





どちらとも、都合が良すぎるね……




もう、龍之介は歩き出しているんだ。





なのに、あたしの中の時計は止まったままで。





全く動こうとしないんだ。








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