戦国に埋もれし儚き恋

少し山を登ると建物が見えてきた。

『すごいです!!小屋とはこのようなモノなのですか』

「すごいモノではないのですけどね」
困ったように笑いながら小屋の戸を開ける。そこには沢山の竹刀(シナイ)や本と少し草臥(クタビ)れた布団がある

「汚くてすみません」

『いえ、すごく楽しいです。ここに何があるのですか?』

「大したモノじゃないんです……昼間なら町に連れて行くんですが、夜なのでこれで我慢して下さい」

私の手をひいて外にかかっている梯子で屋根に登った。

「大丈夫ですか?」

『はい、すごくワクワクします』

梯子を登る、ましてや屋根の上に登るなんてことは初めてで…少し怖さはあるものの好奇心の方がはるかに勝っていた。



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