ACcess -弥猛-
なんだろう、この子。

私はまたﾏｼﾞｯｸﾋﾞｰﾙを飲む。

特にこの後、戦闘をする予定はない。

ただ、人を迎えたからには飲み物は必須だろうと用意しただけだ。

しかし今は、質問を紛らわそうとする為に使うに過ぎない。


息をゆっくり吐いて答えた。
「…貴方なんか、存在なんてしていない。」
それは回答ではなく、私の思いを率直に吐き捨てただけだった。

やはりこれはどうしても言わなければ、気が済まなかった。

彼女は怪訝な顔をして、私の言葉を静かに聞いていた。

私は続けた。
「ﾙｰﾙを破ってまでして、自分の存在を確かめる…？
　この世界は楽しむ為に創られたのよ!?楽しんでない、ただ居場所を探すだけのそんな貴方は…存在なんて、していない…っ！」

私はﾏｼﾞｯｸﾋﾞｰﾙを全て飲み干し、ｶｳﾝﾀｰに叩き付けた。
「ちゃんとｽﾏｲﾙの動作だって基本ｺﾏﾝﾄﾞとして、元から付いてるでしょ？
　そんな調子じゃ、使った事ないんでしょ!?」
少し睨んでそう言うと、少し間があった後彼女は笑って答えた。
「どんな形でもいいの。
　私は存在しているでしょ？」

笑うと可愛い顔は、今の私には歪んだ微笑みにしか見えない。
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