ACcess -弥猛-
こっちの話!と言って私の顔を両手で挟んだ。

恐い事言ったり、不思議な事言ったり…。

でも、彼女はそれだけ色んな事を考えているんだろう。

アリスはモノを作る人。
俗に言うクリエイターと呼ばれる人だ。

きっとそれだから、たくさんの情報や考えが頭にあるんだろう。

それの断片が少しずつ合わさって口から紡がれる。

それが例え他人に分からないものでも、彼女にとっては全てが繋がり、意味を成す。

思考は入り組んでいて、迷路や迷宮と呼ぶのに相応しいんだろう。

私はそれが逆に羨ましかった。
大人の魅力なんじゃないかとさえ思った。


「…見て、次が最後の階よ?
 フフっ。覚悟はお出来きになりて?」
「ちょっとー…アタシを誰だと思っていらっしゃるのかしら?特攻隊長ですわよーっと。」

次の階へ向かう階段の前で少し会話する。

どことなく、二人共緊張した様子が伺える。
「そうね…じゃあ、行きますか。」
「幽霊を見つけたら生け捕りだからね。」
「はいはーいっと。」

そして階段へ一歩踏み出した。
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