極道の女



「野乃ちゃんのお父さんとは幼馴染でね、今でもよく連絡を取り合っていたよ。そしてある日、このメモがうちのファックスに届いたんだ...。すぐに野乃ちゃんのことだとわかって、君を迎えにきたというわけだよ」



いきなりそんなこと言われたって...

はいそうですかなんて言えるわけない!!



「別に頑張って理解してくれなんか言わないよ、ただ野乃ちゃんはもう行くところもないわけだし...」


「...はぁ」


確かにあたしにはもう行くところなんか無い...

お父さんの言ってる意味はよくわからないけど、あたしは翔さんに甘えるしかないのかもしれない

翔さんはお父さんの幼馴染らしいし......



「それじゃあ、よろしくお願いしてもいいですか?」


「もちろん、歓迎するよ野乃ちゃん!!」



そういって翔さんはやさしく微笑み、あたしを鷹野家に迎えてくれた

久しぶりに見た心から優しい翔さんの笑顔に、あたしは少しだけ安心した


大丈夫、


まだあたしは一人ぼっちじゃないよ....
< 14 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop