極道の女
「野乃ちゃんのお父さんとは幼馴染でね、今でもよく連絡を取り合っていたよ。そしてある日、このメモがうちのファックスに届いたんだ...。すぐに野乃ちゃんのことだとわかって、君を迎えにきたというわけだよ」
いきなりそんなこと言われたって...
はいそうですかなんて言えるわけない!!
「別に頑張って理解してくれなんか言わないよ、ただ野乃ちゃんはもう行くところもないわけだし...」
「...はぁ」
確かにあたしにはもう行くところなんか無い...
お父さんの言ってる意味はよくわからないけど、あたしは翔さんに甘えるしかないのかもしれない
翔さんはお父さんの幼馴染らしいし......
「それじゃあ、よろしくお願いしてもいいですか?」
「もちろん、歓迎するよ野乃ちゃん!!」
そういって翔さんはやさしく微笑み、あたしを鷹野家に迎えてくれた
久しぶりに見た心から優しい翔さんの笑顔に、あたしは少しだけ安心した
大丈夫、
まだあたしは一人ぼっちじゃないよ....