以心伝心! 志氣高校 洋将棋部
 「三浦先輩、手伝いますか!?」
 と、深田は、その金髪の少年に言った。
 

 「いいよ!」
 三浦先輩、というらしい金髪の少年は振り返らずに去っていった。
 100Wぐらいの大きなアンプを抱えているのだ、集中を解いたりできないだろう。


 「すみません!」
 深田は野球部っぽく、深々と頭を垂れた。
 
 
 やれやれ、向こうは見ていないのに……


 「……。 まぁ、ともかくさ」
 深田はようやく頭を上げ、僕に言った。
 「今日は文化祭準備日なんだよ」

 「そう、文化祭準備日」
 と、女の子は続けた。
 

 「へぇ、そうか」

 そうさ。ともかく、今日は文化祭準備日なんだぜ。


 僕は僕で、僕の中にいる誰かにそう言った。
 まるで、伝言ゲームだ。
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