結婚前夜〜Girl Friend〜《短》
「あのね……ありがとう」
「はあ?」
「何が?」
時計の針が、午前三時をさした頃。
なんの前触れもなくアンナがそう言った。
俺とコウタは顔を見合わせて首を傾げる。
「私ね、キョウとコウタが守ってくれてたから、今まで頑張ってこれたの。
だから……ありがとう!
これからもよろしくね!」
そう笑うアンナを見て。
俺の目頭が熱くなる。
だけどここで泣いたらカッコ悪い。
俺は唇を噛み締めて堪えた。
コウタは酒の力もあってか、ボロボロと泣いていたけれど。