恋色。君色。


はずかしくてずっとこのままでいたい。


「顔あげて?」

「…無理。」


ボソッと呟いたから聞こえているかわかんないけど。

今の自分にとって必死の抵抗をした


はずかしくてあげられないっつーのぉぉお!


「あげろって。」

そんな私を無視するかのように、

らんくんはS光線(?)を止めない。


「だ、だっから!」


―ぐいっ

顔を、無理やりあげらされた。


「な!?なっなに!!?」

慌てる私に、小声で『かわい~』って言うらんくん。

今の私には禁句なのにも関わらず。


「か、お隠し…たい。」

その言葉を、声にした私はバカだ。


と、思っていると。

らんくんの顔が…?


―ギュッ。

目を強く瞑って“それ”を待った。


_でも。“それ”が全くこない。


『く~~すぅ、く~~~ぅすぅ。』


代わりに来たのは一定のペースで流れる

       _寝息。



「なっ、なんだよ…」

ため息混じりに不安を漏らした。


らんくんの寝顔が隣にある。

それだけで、ドキドキしてしまう。


私は待っていた。

期待してしまっていた。

バカみたい_。


そう、キスを待っていたんだと思う。



ま、流れがあったし?


とか。そうやって自分にいい聞かせた


らんくんの寝息に安心してしまったのか

私はだんだん、夢の中へと意識を飛ばせていった――。


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