月夜の影
~5年前~

窓から赤い光がいくつも見えた。

私はお気に入りの毛布を握りしめたままリビングにいた。

サイレンの音が響き渡り、たくさんのパトカーがいた。

「娘さん?」

私は頷いた。
涙が零れるのを堪えるように下を向いた。

「名前は?」

「高坂…菜月」

タカサカナツキ

それが私の名前。
美しい満月の夜に生まれたから菜月。

両親がよく話してくれた。

その両親はもう…







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