月夜の影
私が寝ている間に死んだ。

無惨な姿になった両親を私はまともに見ることができなかった。

リビングの床には赤い池ができていた。
それを拭きとったのに床には染みが消えない。

大好きな両親の血が影のように残っている。

2人はもうこの世にいないのに。

「っ…」

「菜月ちゃん!?」

「誰か病院に!」

さっきまでずっと痛みを我慢していた。

「どうして言わなかったんだ」

「だって…迷惑…かかっ…ちゃうから…」

今まで両親に迷惑をかけないように生きてきた。

だから他人になんて言語道断。

「いっ…」

警察の人に見つからないように毛布で腹部を隠していた。

パジャマは真っ赤だった。

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