防衛要塞都市
「・・・詳しく伺いたいですね。」


リーは立ち上がり、カシワギの目の前に立つ。


「おもしろい・・・。それでこそリー中尉だ。」


カシワギは身を翻し、低い笑い声を響かせながら、堂々と指令室を去って行った。


彼女が去った後、リーはどすんと椅子に落ちた。


部屋が静寂に満たされた時、リーの拳が机を叩いた。


喜び、憎しみ、悲しみをも感じられる表情で、言い放つ。


「これで・・・必ずヴィンヤード大佐の仇を・・・!」


音と声は、指令室の闇へと飲み込まれた。
< 50 / 69 >

この作品をシェア

pagetop