防衛要塞都市
寒空の下、アマリリスとセイルは、厚手のコートの襟を立て、横に並んでいた。


「二年前の今頃とは大違いだ。もっと暖かかったはずだからね・・・。」


そう言ったのは、セイル。


壁もフェンスもない屋上で、彼はふと自分の右側を見る。


そこには、未だにこびり付いたままの血が、しっかりと広がっていた。


悲しそうな顔のセイルを、アマリリスは静かに見守った。
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