モウ スキジャナイ
誠はほんとに一位をとった。



山田先輩は誠に駆け寄った。

私も望に駆け寄った。

山田先輩は「かっこよかった」を連呼した。
誠はひたすら顔を真っ赤にしていた。



「お疲れ様」

「おーっ…ひゃー…一年生にまけちまったなぁ!」

望は少しばかり涙目だ。ほんとに悔しそうだ。
ひとつ上の先輩に言うのもなんだが、子供だなぁと思った。

私は今自分の気持ちに気づいてびっくりして気の利いたことがいえなかった。

「二位でもすごい」とか「途中まで一位だった」とか…



きっと私は




誠が好きなんだろうなと考えながら…
< 21 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop