ペットだなんて、言わないで

「もう切ってあげなくても食べれるだろ?」

「……? うん!」


 きっと意味が分かってないと思う。


 けど、さすがに皆の前でフーフーしてあげたり、食べやすい長さに切るなんて恥ずかしくて出来ないぞ。


 エレベーターで七階のレストラン街に行くと、美味しそうなニオイがぷんぷんとしていた。


「とりあえず一回りするか。行くよ、ハル……?」


 振り向くと、ハルが居なくなっていた。


 降りた時、人ごみが凄かったから一瞬だけ手を離したけど……


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